全社員が経営に関わる「全員経営」の共創

株式会社NTMC

<東日本営業所>〒140-0001 東京都品川区北品川1-13-3 八ツ山 三和ハウス2A  
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全員経営が導く
営業力強化と部門間連携

株式会社NTMC 西日本コンサルティング部  
松浦智和 tomokazu-matsuura@ntm-c.co.jp

経営会議の様子1

企業名 株式会社 松栄軒
住所  鹿児島県出水市上鯖渕532-5
業種  弁当の製造販売

 コンサルタントの松浦です。全員経営導入支援先である株式会社松栄軒様において、経営会議が開催されました。今回のテーマは先月に引き続き「営業強化」。その経営会議の様子をお届けし、全員経営がどのように営業力の強化や部門間の連携促進に貢献するのか、その実践的な側面について考察いたします。特に、同社が取り組む「採算表」と「重点報告シート」の活用、そして経営会議における議論の進め方に焦点を当て、皆様の企業経営に役立つ情報を提供できれば幸いです。
 

1.全員経営を活用した営業力強化の実践

 株式会社松栄軒では、増加する新規案件に対応するため、営業マンの提案力、交渉力、実行力の強化が喫緊の課題となっています。この課題に対し、同社は全員経営の視点を取り入れ、部門長が単独で計画を作成するのではなく、部門メンバーを主体的な計画策定プロセスに巻き込むという新たな着眼点を導入しました。
 
このアプローチの根幹にあるのは、メンバー一人ひとりが業務に対する当事者意識を高め、自律的な成長を促すという考え方です。各メンバーが採算表の作成や重点報告シートの検討に参画することで、自部門の業務が会社の収益にどのように貢献しているのか、また、どの顧客に注力すべきかを具体的に理解することができます。

2.部門間連携促進のための具体的アプローチ

 株式会社松栄軒には、取引先からの信頼が厚く、多くの新規企画タイアップの申し出があるという強みがあります。これらの機会を最大限に活かすためには、営業部門だけでなく、製造本部や管理部門との円滑な連携が不可欠です。
 
同社の経営会議では、この部門間連携を促進するために、重点報告シートが重要な役割を果たしています。各部門長が共有する重点報告シートを通じて、営業部門が注力している顧客や企画内容が製造部門や管理部門にも共有され、それぞれの部門が協力体制を構築するための共通認識が醸成されます。
 
また、従来各部門で異なっていた取引先分類を共通の業態に統一したことは、部門間のコミュニケーションを円滑にする上で非常に有効な取り組みです。共通言語を用いることで、各部門長は他部門の状況を正確に理解し、連携の必要性や協力体制の構築について具体的な議論を行うことが可能になります。

 

3.経営会議での営業力強化に向けた実践的議論

 株式会社松栄軒の経営会議は、単なる報告の場ではなく、営業力強化に向けた具体的な議論を行うための重要なプラットフォームとなっています。同社が示す議論の進め方は、他の企業にとっても参考になる点が多いと考えられます。

①議論のテーマ設定
 経営会議では、現状の課題(引き合いに対応しきれていない状況)、目標(営業効率の向上、新規タイアップの実現)、具体的な施策(採算表と重点報告シートの活用、人材育成)といった多角的なテーマが取り上げられています。

②議論の方法
 各部門長は、重点報告シートに基づき、前月の活動結果と次月の計画を発表するだけでなく、重点顧客に対する戦略や課題、他部門との連携の必要性などを具体的に説明します。それに対し、社長や他部門長よりアドバイスが伝えられます。これにより、経営層だけでなく、参加者全員が営業活動の現状を共有し、建設的な意見交換を行うことができます。

経営会議の様子2

4.経営会議を活性化=企業の意識改

 営業力強化に向けた経営会議をより活性化させるためには、以下の点が重要です。

①議題の事前共有
 議論を深めるために、事前に議題と関連資料を参加者に共有します。

②多様な意見の奨励
 
参加者の役職や経験に関わらず、自由闊達な意見交換を促します。

③具体的なアクションプランの策定
 
議論の結果に基づき、具体的なアクションプランと担当者、期限を明確にします。

④進捗状況のモニタリング
 
決定されたアクションプランの進捗状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて軌道修正を行います。

 今回の内容から、全員経営の視点を組織運営に取り入れることで、営業力の強化や部門間の連携促進といった重要な経営課題の解決に繋がる可能性が見られました。特に、同社が実践する採算表と重点報告シートを中心とした情報共有と、部門を跨いだ協力体制の構築に向けた具体的なアプローチは、多くの企業にとって参考になると思います。
 全員経営の真髄は、組織の構成員一人ひとりが自律性と責任感を持ち、共通の目標達成に向けて主体的に貢献できる環境を作ることにあります。株式会社松栄軒の事例は、経営層のリーダーシップの下、情報共有の透明性を高め、部門間の壁を取り払い、組織全体としての総合力を高めることの重要性を改めて示しています。
 また、同社の経営会議における議論の進め方は、現状の課題を明確に共有し、具体的な解決策を導き出すための有効なフレームワークを提供しています。各部門長が組織全体の目標達成に貢献しようとする姿勢は、全員経営がもたらすポジティブな効果と言えるでしょう。

5.あなたも『全員経営』を体験してみませんか? 

 皆様の企業においても、全員経営の考え方を参考に、自社の状況に合わせて柔軟に取り入れることで、組織の活性化、ひいては持続的な成長へと繋がる可能性があります。本稿で紹介した株式会社松栄軒の取り組みが、皆様の企業経営における一考察となれば幸いです。
 全員経営は、一朝一夕に実現するものではありませんが、組織全体で意識改革を行い、粘り強く取り組むことで、必ずやその効果を実感できるはずです。さらに、今回の会議で示されたように、部門長がメンバーを巻き込み育成していく視点は、持続的な組織成長の基盤となるでしょう。

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 代表略歴・ごあいさつ

略歴
  • 1967年 京都セラミック株式会社(現・京セラ株式会社)入社
  • 1995年 同社代表取締役専務
    京セラコミュニケーションシステム株式会社設立 代表取締役社長
  • 2006年 京セラ株式会社代表取締役副会長
  • 2010年 日本航空株式会社 副社長執行役員
  • 2015年 株式会社NTMC代表取締役社長 

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