2023年も残り1カ月になりました。今年のビジネストレンドを振り返ると、ChatGPT、リスキリング、人的資本、インボイス制度などの用語が注目されました。これらのキーワードは、変化の激しい現代のビジネス環境での重要性を反映しています。また、何年か前から注目されていたレジリエンス(resilience)という用語は、物価上昇や人手不足などの要因でビジネス環境が不確実性を増していることもあり、2023年に入ってからもよく耳にしました。今回のコラムではこのレジリエンスをテーマとして取り上げます。
ビジネス用語としてのレジリエンスは、組織や個人が予測不可能な事象に対処し、変化に適応する能力を指します。
近年は、コロナパンデミック、国際紛争、自然災害、経済危機など、ビジネス環境はますます不確実性を増しています。このような状況下において、組織は迅速かつ効果的な行動を取るためにレジリエンスを高める必要があります。
また、レジリエンスは、人の心の状態を指す表現でもあり、「折れない心」や「困難をしなやかに乗り越え回復する力」などと紹介されることがあります。現代は、何かと変化の大きな時代であり、私たちは日々ストレスを感じながら仕事をしています。
大なり小なり誰もがストレスを感じていますが、強いストレスを感じてもすぐに立ち直って前進できる人がいる一方、立ち直れず仕事を辞めてしてしまう人や心を病んでしまう人がいます。この差を生み出すものがまさに「レジリエンス」ということです。
前回のコラム「経営のゲーム化:遊びが創造性を生み出す」の中で紹介したNHK BSプレミアムの番組『ヒューマニエンス「“遊び”それは人類の可能性の宝庫」』によると、遊びが創造性を生み出すとのことですが、また遊びからレジリエンスが育まれることも示唆されました。
従業員一人ひとりのレジリエンスを高めることができれば、離職防止の効果が得られるだけでなく、最適な意思決定を生み、仕事へのパフォーマンスを高めることが期待できます。
私たちが提唱する「全員経営」とは、組織内のあらゆる従業員が経営に参加し、組織全体の目標に向かって協力するアプローチです。この経営手法では、小さなチーム単位で利益の見える化に取り組むこととで、従業員一人ひとりが自分の仕事や目標を「自分事」として捉えるようになります。
また、「全員経営」の導入により、組織内で競争心が刺激されると同時に、従業員はチーム単位の連携を通じて、より効果的に業績を上げるようになります。結果として、離職率が低下し、最適な意思決定と高いパフォーマンスが期待できます。
「レジリエンス」と「全員経営」は、組織の成長と成功という点において密接に関連しています。その理由は、会社組織が「レジリエンス」を高めて、予測不能な出来事に対処し、変化に適応しようとする際に、従業員が組織の成功に向けて協力する役割を果たすからです。
簡潔に言えば、「レジリエンス」を養い、組織が変化に適応し、予測不能な状況に対処できるようにするためには、全てのメンバーが組織の成功に向けて努力することが必要となります。このアプローチは「全員経営」とも重なる部分が多いのです。
「レジリエンス」を養うためには、組織全体が不測の事態に対処する能力を高め、リーダーシップやリスク管理が重要となります。しかし、このためには全ての従業員が積極的に経営に参加し、変化に対処する準備ができている必要があります。このときに「全員経営」が大きな役割を果たすのです。その理由は、全ての従業員が経営に関与し、組織内における連携と競争が促進されるからです。これによって組織全体の「レジリエンス」が向上します。
このように、「全員経営」に取り組むことは、予測不可能な出来事に対処し、変化に適応し、ビジネスの未来に備えるというレジリエンスを高めることにもつながります。従業員一人ひとりが組織の成功に向けて協力し、同時に変化に適応する柔軟性を持つ組織は、競争力が高まり、持続的な成功を収めるはずです。
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