現代アメリカ野球の重要なトレーニング施設、「ドライブライン・ベースベール」をご存じでしょうか? この施設は、アメリカ・ワシントン州シアトル郊外のケントという街にあり、データ解析に基づくトレーニングを提供しています。つい数日前、超大型契約で米国大リーグ(MLB)のドジャースへの移籍が決定したニュースが報道された大谷翔平選手をはじめとする大リーグのスターや日本のプロ野球選手たちが、その効果を求めて足を運ぶことでも知られています。
テレビ朝日の「サンデーLIVE!!」では、11月26日および12月3日の2週連続で元ヤクルトの古田敦也氏がドライブラインを取材した模様を紹介していました。
スポーツ界だけでなくビジネスにおいても、データ分析とトレーニング手法の革新が注目を集めています。今回のコラムでは、野球界のトレーニング手法である「ドライブライン・ベースボール」と、組織運営の手法である「全員経営」の共通点に焦点を当てます。
けがからの再起をめざす選手の「駆け込み寺」としても知られているドライブライン・ベースボールの特徴は、徹底したデータ分析となります。中でも選手の体に48個のマーカーをつけ、14台のカメラで動きを解析する「モーションキャプチャラボ」が有名です。そして、蓄積した膨大なデータをもとに、生体力学の専門知識を持つトレーナーがアドバイスをします。
先にお知らせしたTV番組の中では、「野球選手としての能力について徹底的に分析して、得意、不得意の部分を洗い出したうえで、選手に合わせたトレーニングを提案する」と、ドライブライン・ベースボールのCEOであるラスウェル氏が古田氏に説明していました。
私たちが提唱する「全員経営」とは、組織内のあらゆる従業員が経営に参加し、組織全体の目標に向かって協力するアプローチです。この経営手法では、小さなチーム単位で利益の見える化に取り組むこととで、従業員一人ひとりが自分の仕事や目標を「自分事」として捉えるようになります。
また、「全員経営」の導入により、組織内で競争心が刺激されると同時に、従業員はチーム単位の連携を通じて、より効果的に業績を上げることにようになります。結果として、各チームには最適な意思決定と高いパフォーマンスが期待できます。
さて、ここから「ドライブライン」が実施しているデータ分析を基盤としたトレーニング方法と「全員経営」の共通点を見ていきましょう。
一つ目は、データの活用と見える化です。前述の通り、ドライブライン・ベースボールでは、マーカーやカメラを使ってデータ収集し、その分析を通じて個々の選手に対してトレーニング方法を提案します。同じように、全員経営も数字の見える化を重視し、小さなチーム単位の利益が可視化されます。それが、生産性向上や社員に対する自己成長の機会を提供し、社員一人ひとりの成長を促進することになります。
二つ目は、個別に適したアドバイスです。ドライブラインのトレーニング方法は、選手一人ひとりの能力の向上に合わせたトレーニングを提案します。選手がトレーニングを実施する上で、アドバイスが大きな役割を担うわけです。同様に、全員経営では小さなチーム単位の稼ぎを把握した上で、社員一人ひとりが個々の強みや能力を生かせる環境を提供しますが、会社ごとに異なる社内取引の仕組みづくりには個別(社別)のアドバイスが求められます。このような個別に適したアドバイスは、ビジネスではコンサルティングということになります。
さらに、継続的な改善と自己成長という点においても共通しています。ドライブラインではデータを蓄積し、その分析を通じて継続的な改善を目指します。全員経営も同様に、数字の見える化により継続的な改善を行います。しかも、局所的な部分に対する改善に取り組むのではなく、企業にとって最も重要な指標である利益の向上に努めることになります。これにより一人ひとりの社員が商売主のように利益という数値に注意を払うようになることが期待されます。
スポーツ界における革新的なトレーニング手法は、ビジネスにも応用できます。データの活用や見える化は、組織全体の成長と生産性向上に貢献し、個々の能力を最大限に引き出す重要な手法と言えます。ただし、ドライブライン・ベースボールと同じような施設を作れば良いというわけではありません。そこには個別に適したアドバイス(コンサルティング)の提供があるからこそ、ドライブラインでトレーニングする選手の本領が発揮されるのです。ビジネスでも同様に、企業には自社に適したコンサルティングを受けることによって、会社が大きく変わることが多々あるのです。
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