5~6年前からよく耳にするようになったウェルビーイング(well-being)という言葉をご存知でしょうか?ウェルビーイングとは、健康や幸福な生活を追求する傾向が強まる中で、企業や個人が自己ケアやバランスの取れた生活を重視するようになったことを表しています。
ウェルビーイングが注目される一方で、私たちが提唱する「全員経営」という概念も以前よりも浸透してきたと考えています。このコラムでは、ウェルビーイングと全員経営がどのように関連し、なぜ重要なのかについて考えてみたいと思います。
まず、ウェルビーイングについて考えてみましょう。ウェルビーイングは、個人の身体的・精神的な健康と幸福を追求し、バランスの取れた充実した生活を送ることを重視するコンセプトです。それは、自己ケアや自己成長に積極的に取り組み、ストレス管理や適切な休息、豊かな人間関係の構築を通じて、より意味のある人生を実現することを目指しています。
また、「ウェルビーイング経営」という言葉をよく耳にするようになりました。これは従業員の健康と幸福を重視し、組織内でその実現を促進する経営スタイルを指します。ストレスの軽減やワークライフバランスの向上、自己成長や働きがいの提供など、従業員の全体的なウェルビーイングを追求することを目指しています。結果として、従業員の満足度やパフォーマンスの向上、組織の成果や持続的な成功につながることが期待されるのです。
今では「ウェルビーイング経営」を題材にしたセミナーが頻繁に開かれています。そのようなこともあり、中小企業の中にも「ウェルビーイング経営」を掲げる会社が増えてきました。
また、「ウェルビーイング経営」と、似た意味で使われることの多い言葉に「健康経営」があります。「ウェルビーイング経営」が従業員目線であるのに対して、「健康経営」は企業目線であるのです。さらに、「健康経営優良法人認定制度」という、経済産業省が旗振り役を務めている制度があります。この制度では、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰しています。
近年では、「健康経営優良法人 2023 ~ブライト500~に認定されました!」などと企業ホームページに掲載してアピールする中小会社が増えています。さらに、ISO認証の支援ビジネスと同じように、認定の支援や歩行数に応じてポイントが付与されるアプリの販売など、健康経営に関連したビジネスが盛んになってきました。「ウェルビーイング」や「健康経営」の注目度の高まりは、新ビジネス創出の役割も果たしているのです。
一方の「全員経営」については、このコラムの中でも何度も説明したことがあります。NTMCのホームページ内にも詳しい解説がありますが、従業員全員が経営に参画し、企業の目標達成に向けて力を発揮する環境を作ることを指します。従来の経営スタイルでは、役員や幹部だけが意思決定の主体となり、他の従業員は単に指示に従う存在でした。そうではなく、組織内の知識や能力を最大限に生かすために、全員が経営に関与する環境を提供するのです。
「全員経営」について詳細を知りたい方は『NTMCが考える「全員経営」』のページを確認してみてください。全員経営を掲げている企業は多くありますが、NTMCの全員経営では各チームにおける日々の仕事の結果が収入や利益として算出される点で異なります。そして、全社員がそれを実感できる仕組みをつくることになるのです。
ウェルビーイングと全員経営の関連性については、さまざまなメリットが存在すると考えています。
まず、従業員のウェルビーイングを重視することは、健康で幸福な状態を促進し、結果として生産性を向上させることが期待されます。また、全員経営を導入することで、従業員は主体的に業務に取り組むようになります。従業員は、仕事のやりがい、利益の追求、会社への貢献の場をつくり、人材の育成と企業の発展を実現します。これはウェルビーイングの向上にもつながることです。
さらに、組織の目標や価値観に共感し、協力して働くようになることで、組織全体の連携やパフォーマンスの向上も期待されます。
このようにウェルビーイングと全員経営は、相互に関連し合います。上手く活用することで大きな成果が期待できるはずです。従業員が健康で幸福な状態で働き、組織の成果に寄与することで、組織はより良いパフォーマンスを発揮し、従業員の成長ややりがいを促進する環境を提供することになります。このような相乗効果が期待できると私たちは考えています。
繰り返しになりますが、ウェルビーイングと全員経営は相互に補完し合うことで、組織の成長と従業員の幸福に貢献する可能性を秘めています。従業員の幸福と経営の成功は密接に関連しており、組織全体が健全な状態で成長するためには、両方を組み合わせた取り組みが求められるのではないでしょうか。 企業がウェルビーイングと全員経営を両立させれば、従業員のモチベーションや生産性を向上させ、競争力のある組織へと発展していくことができるはずです。
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