サイエンスパーク株式会社が掲げる「売上100億円達成」と「全員経営」の実現。この壮大な目標に向け、部長・課長クラスの意識改革を促す「リーダー強化プログラム」も、2026年7月13日にいよいよ第10回を迎えました。これまで「視野の拡大」「目標の連鎖」「確実な伝達」と段階的に進化してきた本研修。今回のテーマは、組織の生産性向上における最大の急所である「第10条 部下を褒め、叱る」です。ハラスメントリスクに身をすくませる現代のマネジメントに対し、講師の森田が投じた一石は、現場のリーダーたちに激しい葛藤と深い覚悟を迫るものとなりました。
現代のマネジメントシーンにおいて、「褒めて伸ばす」という言葉は一種の聖域となっています。しかし、森田は全員経営の真髄を説く教材『稼ぐ会社の「課長心得12条」』を紐解き、その風潮に鋭く切り込みました。「褒めるのはせいぜい3分の1。残りの3分の2は真剣に叱るべきである」。この比率は、参加したリーダー層に強い衝撃を与えました。
なぜ、褒めるだけでは組織の生産性向上、ひいては売上100億円を支える一流の集団へと繋がらないのか。森田は、減点主義の極致であるオリンピックのシンクロナイズドスイミングで何度もメダルをもたらした井村雅代氏の「愛があるなら叱りなさい」という言葉を引用します。活躍のステージが上がれば上がるほど、わずかな欠点が命取りになるからです。一流のビジネスパーソンへと部下を導くためには、本人が無意識に目をつぶっている「欠点」や「エラー」を明確に指摘し、矯正してあげることがリーダーの果たすべき真の役割です。
「人前を避け、別室でプライドを傷つけないように叱る」という世の常識は、現実の修羅場では機能しません。ミスが起きたその瞬間に、「みんなの前で」「時間をかけて」懇々と「なぜ」を繰り返し、原因を突き詰める。叱られる側の心が痛み、次に同じ状況に遭遇したときに反射的に避けるほど「身にしみさせる」からこそ、人間の悪いクセは直るのです。その根底に必要なのは、部下の人生と会社の将来を背負う、リーダーの圧倒的な「愛情と熱意」に他なりません。
講義が熱を帯びるにつれ、サイエンスパークの現場を預かるリーダーたちからは、現代ならではのリアルな悩みや葛藤が次々と吐露されました。単なる理論の受講にとどまらない、講師とリーダーたちの濃密な「紐解き」の対話を再現します。
【問い】ハラスメントへの恐怖とジレンマ(営業部リーダー)
「私の新人時代は厳しい指導が残っていましたが、今は少し厳しくするとすぐにハラスメントと言われてしまうリスクがあり、正直なところ恐怖とジレンマを感じています。また、今後の新入社員の中には『人間よりAIを100%信じる』という部下が現れ、『でもAIはこう言っています』と反論される光景も予想されます。私たちはどのように指導すべきでしょうか。」
【講師の紐解き】
「ハラスメントへの恐怖は、相手との信頼関係が希薄だから生まれます。井村氏が1日13時間も選手をプールから上げずに指導できたのは、選手側に『この人につけばオリンピックに行ける(夢が叶う)』という確信があったからです。AIを信じる部下への対応も本質は同じです。AIは確率的な正論を出しますが、泥臭いビジネスの現場で『当事者として責任を持つ』ことはできません。リーダーが自らの言葉で、相手の成長を願う熱意をぶつけ、人間関係という土台を築くこと。時代が変わっても、この信頼関係の構築こそが不変の解決策です。」
【問い】厳しい指導と離職のリスク(プラットフォーム部リーダー)
「過去に厳しく指導した結果、去ってしまった社員がおり、今でも指導方法が悪かったのか悩んでいます。現代において『みんなの前で時間をかけて叱る』のは時代錯誤のようにも思えてしまいます。人を選ぶべきなのか、それともついて来られないなら辞めても仕方ないという割り切りが必要なのでしょうか。」
【講師の紐解き】
「厳しい指導で社員が離職した経験は、胸が痛むものです。しかし、ここで大切なのは『人を選ぶ』ことではなく、『刺激の強さを注意忘れることなく見極める』ことです。強すぎる刺激は毒になります。相手の性格を早期に見極め、どこまで追及すれば身にしみるのか、関心を払ってコントロールする。そして何より、叱る目的は排除ではなく『育成』です。叱り終えた別れ際の一言、表情で『よし、もう一度やろう』と思わせるフォローがセットでなければなりません。社員を戦力化することから逃げては、全員経営は達成できません。」
研修に臨んだリーダーたちの事前課題からは、自らのマネジメントスタイルを猛省し、売上100億円達成に向けて「逃げない指導」を実践しようとする強い決意が読み取れます。
講義の終盤、森田は自身が京セラ時代に稲盛和夫氏から受けた強烈な叱責のエピソードを語りました。管理会計の核となる「時間当り採算表」の字が汚いと、社長室で激しく叱られた経験。それは単なる「文字の綺麗さ」への指摘ではなく、「社長が毎日鞄に入れて持ち歩き、真剣に経営を判断している超重要資料に対する、担当者の当事者意識の低さ」を突き詰めるものでした。身にしみる叱責を受けた森田は、猛省して部下全員と数字の書き方からホチキスの位置までを徹底的に改善し、結果として誰からも信用される強固な経営管理部門を築き上げました。
サイエンスパークが「売上100億円」という次のステージへ進むためには、全社員が経営者目線を持つ「全員経営」の確立が不可欠です。部下の小さなエラーや取り組み姿勢の甘さを「波風を立てたくないから」と見過ごすリーダーは、結果として部下の成長の機会を奪い、組織の衰退を招きます。
今回の研修を経て、同社のリーダー育成プログラムは「ただ教える」段階から、「部下の人生に責任を持ち、欠点を直すために本気で向き合う」という実践のフェーズへと昇華しました。次回、一皮むけたリーダーたちがどのような組織の変革をもたらすのか、その進化から目が離せません。
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「全員経営」「 社内協力対価」
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