5月18日、地域の経営者の皆様が集う経営者団体「掛川MRC」にて、代表の森田の講演会が開催されました。
今回の講演テーマは「稲盛経営とJAL再建 〜全員経営の活用〜」。
会場には「盛和塾」で稲盛和夫氏から直接薫陶を受けられた元塾生の皆様もおられ、開演前から学びに対する純粋な熱気に包まれていました。
森田は、稲盛氏の最も近くで「全員経営」の真髄を実践してきました。その森田だからこそ語ることのできる「教科書には載っていないリアルな経営の舞台裏」。今回はその講演の様子と経営者の皆様と交わされた問答の様子をお伝えいたします。
講演では、参加者に元盛和塾生がいらっしゃるということもあり、「稲盛さんの経営に学ぶ」というセクションを中心に、経営の本質が深掘りされました。
森田がまず強調したのは、経営の「両輪」として機能する「部門別採算」と「フィロソフィー」です。創業間もない稲盛さんは、部門別採算においては、製造・営業の意識改革を中心に、特に製造部門の改革を生産実績日報と独自の採算表にて行いました。また、フィロソフィー教育をスタートさせ、人間として何が正しいかという普遍的な価値観を社内に浸透させようとしました。
さらに伝えたのが、これらは決して独立したものではなく、両立しなければならないという事実です。多くの企業がどちらか一方だけを取り入れようとして形骸化させてしまうのに対し、稲盛経営の本質は、理念と仕組みを融合させ、全従業員が「経営者感覚」を持って働く「全員経営」の実現にあります。
その最たる実践の場となったのが、2010年のJAL(日本航空)再建の現場でした。
当時、誰もが「再建は不可能」と考えた組織に、稲盛氏と森田たちが持ち込んだのが、まさにこの全員経営の思想です。それまでのJALは、巨大な一つの組織として利益責任を持つ部門がなく、現場の社員は「自分たちの活動がいくらの利益を生んでいるのか、あるいは赤字なのか」理解する手段を持たない状態でした。そこで森田らが導入したのが、一便ごとの採算をベースとし、部門の採算を算出する「部門別採算制度」です。これにより、現場の意識は劇的に変化しました。
たとえば、それまで「予定通りに飛行機を飛ばすこと」だけを考えていたが、お客様の搭乗予約数を見て「より燃費が良く、機材費の抑えられる一回り小さな飛行機に変更した方が利益が出るのではないか」と自発的に提案・実行するようになりました。また、運行のないパイロットが他社への出稼ぎを自ら買って出るなどの工夫が現場から次々と生まれました。
「意識が変われば、行動が変わる。行動が変われば、数字が変わる」
これこそが、フィロソフィーと採算管理が融合した時に発揮される「全員経営」の大きな成果、JALがわずか数年で奇跡のV字回復を遂げた最大の要因であったことが生々しく語られました。
第二部では、森田と参加された経営者の方々が直接対峙する、1対1の質疑応答の時間が設けられました。皆様の熱い想いが凝縮された、経営のリアルな壁に関する3つの問に森田が回答しました。質問は以下の通りです。
【参加者からの質問】
稲盛氏は「人間として正しいことを判断基準にしなければいけない」とおっしゃっています。しかし、その「正しいこと(正義)」の解釈が社員一人ひとりでバラバラでは、フィロソフィーは浸透しないと思います。社内で解釈を統一させるためには、どのようにすればいいでしょうか。
【参加者からの質問】
今日の講演の中で「心を鍛える」というお話が非常に印象的でした。しかし、今の20代の若い社員たちに対して、どのように接すれば彼らの心を鍛えることができるのか、具体的なアプローチに悩んでいます。
【参加者からの質問】
アメーバ経営の本質が「フィロソフィー」と「部門別採算」の両輪であることはよく理解できました。これから自社でこれらに取り組もうとする際、順序としてはどちらを先に行うべきでしょうか。
これらに対し、森田はどのように回答したか。回答内容は別の機会にご紹介します。
予定されていた時間はあっという間に過ぎました。
講演終了後も、多くの経営者の方々が森田のもとへお越しになり、さらに深い質問をされる姿が見られ、皆様の「会社を良くしたい」「稲盛経営を自社で体現したい」という純粋で熱い情熱を感じることができました。
今回、改めて再確認させられたのは、稲盛和夫氏が遺し、森田が実践してきた「全員経営」の考え方は、時代や業種を超えて通用する【普遍的な経営の真髄】であるということです。
私たちは、この「全員経営」の本質を正しく受け継ぎ、現代のビジネス環境に適した形で企業の皆様に伴走するコンサルティングを提供しています。
「社員が経営者感覚を持って動く組織を作りたい」「理念と利益を両立させたい」とお悩みの経営者の皆様、ぜひ私たちが開催する今後のセミナーや、ホームページにもご注目ください。全国の情熱ある経営者の皆様の伴走者として、これからも邁進してまいります。
改めまして、今回このような貴重な機会をいただきました掛川MRCの皆様、そして熱心にご聴講いただきました会員の皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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